遺伝子治療の技術は、遺伝的な腫瘍や血友病・先天的な疾患の検査など、多岐にわたる診療領域で活用され始めています。この技術は、新たな治療法の立案やより効果の高いとされる薬剤を選択する際の指針としても役立てられ、専門知識を持つ人材の確保が急務とされているのが医療機関の現状です。
特に、遺伝子治療の技術が重要な役割を担う診療科に、産婦人科が挙げられます。小児の先天性の異常や出産前の病気の診断・高齢出産に伴う危険性などを予測する為に、遺伝子による診断技術が活用されています。産婦人科で遺伝子カウンセリングの技術が多く活用され始めた事から、遺伝子カウンセリングの専門資格を保有する看護師の役割が重要になりつつあります。医師に代わり検査結果を元にカウンセリングを行ったり、先天性疾患の対応法や治療法の相談にのっているのです。
これまでは、先天性の異常を出産前に正確に予測する事は難しく、効果的な薬剤を使用したり理想とされる治療法を早期に考案する事が困難でした。しかし、先進医療の普及で遺伝子を用いた診断が身近になり、より多くの方が検査を受けてカウンセリングで問題の解決法を考案してもらう事が出来るようになったのです。その結果、個々の相談者に対して理想的な解決法が提示できるようになってきています。
遺伝子診断は血液検査やリンパの生検で正確なデータの収集が可能となっており、合併症の予防や早期治療にも役立てられる為、専門資格を持つ看護師のニーズが高まりつつあります。